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メガソーラーの防犯対策

太陽光パネルを盗難・損傷から守り、新時代のエネルギーを確保する

2013年3月、茨城県のメガソーラー(太陽光発電所)建設現場で太陽光発電パネル138枚が盗まれる事件が起こりました。2012年7月より再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートして以来、メガソーラーの建設が各地で活発化する一方、ソーラーパネルの供給は不足しており、転売を目的としたパネル盗難が多発しています。 万が一不審者に侵入され、太陽光パネルが盗まれたり破損されたりすると、エネルギーの生産性が低下する上、修理費用や新たなパネルの購入費が発生します。 侵入を早期発見し、適切な初期対応を行って損害を未然に防ぐためにも、状況やニーズに合わせて以下のシステムの導入をお勧めします。また複数のシステムを連動させることでより大きな防犯効果が期待できます。

送電用ケーブルの盗難防止対策

滋賀県内の大規模太陽光発電(メガソーラー)で2014年7月以降、銅製の送電用ケーブルの盗難が多発しています。県もメガソーラーの住所の公表を控えるなど対策に乗り出しているが、多くは人通りの少ない場所に立地し、敷地も広大なため、関係者は防犯対策に頭を悩ませています。
地面に敷設された太さ2センチのケーブル20本(計約2千メートル)がばっさりと切られ、持ち去られていました。犯人は施設を囲むフェンスを乗り越えて侵入したとみられます。県警によると、2014年7月以降、計7施設でケーブルが盗まれ、被害総額は約3300万円に上ります。捜査1課は、犯人の狙いは銅線の転売で、目撃される可能性の低いメガソーラーの立地条件に目を付けたのではないかとみています。
メガソーラーの普及に力を入れる県は、ホームページにメガソーラーの住所と地図を載せていたが、事件を受けて休止しました。今後、設置場所を特定されないような掲載方法に見直すという事です。
県警生活安全企画課は「送電用ケーブルは重量があるため、犯人は複数で、運搬にはトラックなどを使っているはず。センサーライトや防犯カメラを設置するなどの対策を取ってほしい」と呼びかけています。

どうやって防ぐ?太陽光発電の盗難防止

太陽光発電設備における盗難が増えてきています。メガソーラー建設中の現場から太陽光発電パネルが盗まれたり、運用中の設備からケーブルが盗まれたり、施工中、施工後を問わず、盗難対策の検討が重要になってきています。太陽光発電を長期運用するためにも対策をしっかりと行いましょう。

  • 1.増えている太陽光発電設備の盗難:

    太陽光発電設備の盗難は昨年あたりから顕在化してきています。例えば滋賀県では、昨年一年間で11件のメガソーラーにおける盗難が発生。送電用のケーブルが盗まれています。太陽光発電設備がねらわれる理由として、まず太陽光発電の設置される場所的な要因が大きく、多くの中・大規模発電は、人里離れた場所に設置されるケースが多い。また、野立の発電設備など基本的に屋外にあるものなので、侵入を阻止することも難しい。さらに、メガソーラーなど設置される範囲が広いので、対策を立てにくい。なお、窃盗がよく行われる夜間には、発電をしていないため、遠隔で電力を監視していても朝まで気づかれないこともあります。また、最近の資材不足など材料費の高騰や電線材料である銅の値段なども盗難発生の増加に関係しているようです。

  • 2.盗まれる部材:

    すでに設置されている太陽光発電の設備の場合、最も盗まれるのがケーブルや電線です。貴金属である銅をねらって行われます。2014年の滋賀県で起きたあるメガソーラーの窃盗では、2.8km分ものケーブルが盗まれました。また、工事中の場合、パネルや架台などもねらわれます。2013年、茨城県にあるメガソーラーの建築現場では、太陽光発電パネルが138枚盗まれる事件も起こっています。これらケーブルやパネル、架台など、盗難から守る対策が必要になってきています。

  • 3.侵入防止四原則:

    まず、窃盗を行う者を、その場所に侵入させないことが前提となり、野立の太陽光発電設備など、侵入防止用のフェンスを設けることは必須といえます。そのうえで、窃盗を行う者の心理的な傾向から「侵入防止四原則」があります。

    • ①目
      窃盗を行おうとする者は、ほかの人の「目」を気にします。見られていることを意識させることが重要です。これは防犯カメラが有効です。
      よく防犯カメラを犯人の見えないところから、記録するために設置しようと考える人もいるが、効果は低い。むしろ、窃盗犯がカメラに撮られていることを意識させる、見られていると感じさせるように設置することによって、効果が増します。またダミーのカメラで、窃盗犯を威嚇する方法もあるが、盗難対策に本気ではないと思われ、むしろ逆効果になる場合もあるので注意が必要です。

    • ②音
      これもほかの人の目を意識する窃盗犯の心理を利用したものだ。赤外線センサによって侵入時に声や音が鳴り、周囲に広く知らせることにより、窃盗犯の犯行を行おうとする気持ちをそぎます。

    • ③光
      窃盗を行おうとする者は、基本的に明るい場所を敬遠します。これは、侵入や犯行を見られることを恐れているからです。そのため、犯人が近づいたときにセンサで照明を点灯させ、なおかつ防犯カメラを意識させます。また音やフラッシュ光などで警告を発する「LEDフラッシュマルチサイレン」、などを行う設備を設置しておくと、犯人の犯行を行う気持ちを弱めることができます。

    • ④時間
      さらに、侵入に時間がかかることを窃盗犯は恐れる。場所によっては、フェンスなどにフェンスガードや有刺鉄線を設置するなどの対策により、侵入に必要以上に時間がかかると判断すれば、窃盗犯はねらう対象から外します。これら備えをしっかりと意識させ、窃盗の対象にされないようにすること、つまりねらわれないようにすることこそ、最大の盗難対策になります。

  • 4.考えておきたい施工前からの盗難対策:

    竣工後の盗難対策は、以上のような内容をオーナーに提案できるが、問題は施工中の盗難です。
    仮に運営においてしっかりした防犯対策後行われる予定でも、施工中に同様の対策が行われるケースはまれでしょう。そのため、施工する側も最低限の対策を講じておく必要があります。その際にヒントとなるのが、先ほどの「侵入防止四原則」です。また、パネルや架台は設置前に盗まれることが多いため、搬入から設置までの工程を工夫するなどの対応も考えられます。

  • 5.メンテナンスとセットで考える盗難対策:

    太陽光発電設備の設置場所の環境によっても、窃盗しやすい場所であると印象を与えることがあります。メンテナンスがなされておらず、架台周りの雑草が伸び放題になり、発電パネル上に鳥のフン害などの汚れが目立つような設備であると、めったに人が訪れない場所と見られ、窃盗しやすい場所との印象を与えます。逆に雑草などが常にきれいに刈り取られ、発電パネルも定期的に清掃されているような設備の場合、人が定期的に来ている場所として、窃盗がしにくい場所と認識されます。このため、太陽光発電の汚れや雑草の様子を確認する遠隔監視システムなど、防犯対策としても活用できます。このシステムでは、外周警備システムと連動してセンサが反応したことを知らせ、リアルタイムに遠隔地からスマートフォンやタブレットを使って確認ができます。

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